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2020.04.17

お家でできる環境づくり(その1) -モンテッソーリメソッド-

臨時休園により、ご家庭でお子様と長い時間を過ごすことになりました。皆様いろいろと工夫して毎日をお過ごしのことと思います。子育てを楽しくと言いたいところですが、自粛により外出も制限される中で、親子ともストレスがたまりますよね。少しでも子育てが楽になるように、モンテッソーリメソッドの考え方で「家庭でできる環境づくり」についてお伝えします。今日はその1、少しでも参考になれば幸いです。

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子どもの動きをよく観察していると常に「手」を使って触ったり動かしたりして自分の周りの環境を探索していることが分かります。モンテッソーリではこれを『運動の敏感期』と呼びます。3歳から6歳はこの『運動の敏感期』の真っただ中、動きながら心と体が一致していくとても大切な時です。

モンテッソーリの子育てヒント

1.大人の思い、子どもの気持ち
大人も子どももみんなそれぞれに違う思いや欲求があるということが基本です。大人の思うとおりに行かないのは当たり前。
おおらかな気持ちで接しましょう。

2.幼児期の特徴
幼児期は動きながら体と心をつくる時期です。子どもの興味に合わせて、手や身体をたくさん動かせる環境を作りましょう。

3.子どもの好む活動
4歳頃には、単純作業より少し工程の長い複雑な作業を好むようになります。模倣期の今、子どもたちの最大の関心事は、日頃大人のしていること。段取りや手順のある花壇の手入れやペットの世話などいろいろなお手伝いに誘ってみて下さい。自分でやりたい!という気持ちが出てきたら、子どもができることからさせてあげましょう。せっかくですから本物を使って、本物を使うことで、集中力や達成感が味わえるようになります。

4.用具類について
使いたいと思った時にいつでも使えるように、手の届くところに場所を決めて置きましょう。
用具類は子どもの手や身長に合わせて用意しましょう。

5.百聞は一見にしかず
教える時は、手元に意識を集中させて、余計なことは言わず、一連の動作を見せることで、集中力や考える力が育っていきます。難しいところはスローダウンして「見ててね」といって区切って見せてあげてください。

6.やり方を教えた後は、子どもの自由に任せることも大切です。上手くいかないこともあるかもしれませんが、何回も繰り返すうちに自分のものになっていきます。試行錯誤することで、思考力も育っていきます。

7.自分で行動を決める
家事は大人にとっては仕事ですが、子どもにとっては遊びのひとつです。押しつけたり、させるのではなく、やり方を知らせたら、何をやるかは自分で決めることが大切です。あくまでも、行為の主体は子ども本人であることを忘れないでください。

<お洗濯>
洗濯物を干す。ピンチハンガーをお子様の手の届く高さにぶら下げて、ハンカチや靴下などお子様の手で扱える大きさのものを干してもらいましょう。できるようになれば、ハンガーにTシャツをかけたり、物干し竿(子どもの手の届く高さに)にタオルを干したりすることもできるようになるでしょう。
洗濯物を畳むことも子どもにできるお仕事の一つです。年中組、年長組さんには洗濯物をかごにとりこむところから、一連の流れをやって見せてあげてください。畳み方の見本はゆっくりやって見せて、見本を置いておくと自分でできますね。畳んだものを種類ごとに分けて、自分のものは自分の引き出しに仕舞うところまでできれば素敵です。

小さな洗濯板があれば、ハンカチや靴下が洗えます。
シューズブラシがあれば、運動靴を洗うのも楽しいですよ。
水を使う時は、思う存分できるように、ビニールのエプロン(ビニール袋で代用も可能です)を付けて、水をこぼすことが心配な方はお庭やお風呂場などですることをお勧めします。

<お掃除>
子どもの手の大きさに合った箒と塵取りで掃き掃除。不要になった歯ブラシや筆などでサッシの溝掃除も楽しいです。砂場用の小さなバケツと小さな雑巾があれば、雑巾を絞って拭き掃除ができます。

雑巾大きさは、13㎝×18cmくらいの大きさに縫った物がちょうど良いです。

子どもの手と体に合った大きさと、思い立った時にいつでも取り出せる場所に置いておくことがポイントです。汚れたところを見つけて自発的にお掃除してくれるようになるでしょう。

<お料理>
毎日のお料理にも子どもができる作業がたくさんあります。
混ぜる、すりこ木でする、プチトマトのへたを取ったり、レモンを絞ったり、ピーラーで皮むき(転がりやすいものは半分に切ったり、少し削ぎ切りしてまな板の上に置くと転がりにくくなります。)ハサミが上手になったら、包丁も使えます。
ただし、切る時は、よそ見をせずおしゃべりしないで手元をしっかり見るお約束を守って、保護者のもとで使うようにしましょう。子ども用の包丁や果物ナイフで、最初はあまり固くない物を用意してあげましょう。味噌汁の具になりそうな葉物野菜や根菜類も細くしておいてあげれば切れますね。数字が分かるようになれば、計量もお願いできます。いろいろ経験したら、絵本レシピを作るのも良いですね。
絵本レシピをみながら、簡単な料理でしたら、器具や材料の用意から、作るところまで、作りたい時に自分で作れるようになります。コロコロおにぎり、サラダや浅漬け、ピザ(幼稚園ではぎょうざの皮を生地にしました)他にもアイデア次第でいろいろ作れます。
Webで「子どもが作る料理レシピ」などで検索すればたくさん出てきます。やってみて楽しかったことがあればぜひ教えてください。

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他人との接触を避け、帰宅後に良く手を洗えば、空いている道や公園でお散歩するくらいなら大丈夫なようです。来週は<お散歩>をテーマに考えています。週末は雨模様、寒暖の差が大きい季節です。どうぞ気を付けてお元気にお過ごしください。
次回は4月23日に更新予定です。お楽しみに。

桜美林幼稚園 冨田 恵美子