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2020.04.23

お家でできる環境づくり(その2)-お散歩編-

前回の「家庭でできる環境づくり」その1は如何でしたか?
過ごしやすい季節となり、本来なら来週からの連休に心が弾む時ですが、今年はコロナウイルスの感染拡大が止まらず引き続きご自宅で過ごされることと思います。体を動かすことが大好きなお子様とそのご家族にとって、3月から続く臨時休園はかなりのストレスになっていることでしょう。ご家庭ですることもネタが尽きてしまって、いけないと思いつつもついついテレビやゲーム三昧になっているご家庭もあるかもしれません。そのような方々に参考にしていただけたらと思い、今日は<お散歩>をテーマにいくつか活動を紹介したいと思います。
自分の身体を建設中の子ども達にとって、自宅に籠りっきりの状態は辛いものです。精神衛生上たまには、外気に触れることも必要かもしれません。かといって公園遊具も密になる可能性があり、リスクは避けられません。そこで、他人との接触を避け、帰宅後に良く手を洗うことを守って、他人のいない道を手をつないで親子でお散歩や歩調を合わせてジョギングしてみては如何でしょうか。外気を吸いながら太陽の光を浴びて、親子ともに良い気分転換ができますように・・・

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前回『運動の敏感期』の真っただ中にいる子どもたちの学びは、大人と違って、手を使って動きながら学ぶという特徴があることをお伝えしました。
今日はそこに芽ばえる『知性』についてお話します。


同じものを選り分けて集める

比べて順番に並べる

『知性』と聞くと、お勉強と思いがちですが、モンテッソーリは知性の働きについて「一言でいうなら、その原点は区別すること」と説明しました。1歳の終わり頃から「同じ」という意味がわかるようになって、「同じ」「同じ」のブームがやってきます。そう言えば・・・と思い当たる方もいらっしゃるでしょう。同一性を見つけることは、区別することと表裏一体です。子どもは手を使って積極的に身の回りにあるものに関り「同じ」を見つけながら、次第に「分けたり」「集めたり」⇒「比べたり」⇒「種類ごとに分類したり」するようになっていきます。これが『知性』の働きの原点です!

<お散歩その1>
日頃あまり気にせず通り過ぎている標識やマークですが、注意してみると結構面白いものがあります。webで検索するといろいろ出てくるので、探しながら歩いてみるのは如何でしょうか。道路標識以外にも、身の回りにもベルマークやエコマークなどいろいろありますね。

歩く時は・・・車の往来のある場所での道中は、必ず手をつないで歩きましょうね。歩調を合わせて歩くことで、心と体を自分の意思でコントロールする力がつきますよ。

<お散歩その2>
お庭やお散歩で摘んだ花を、セロテープで色紙に貼ると素敵な押し花のしおりができます。
いろいろな花を集めて花びらで模様を作ったり、興味があれば名前を調べても良いですね。
色紙に最初に両面テープを貼って、その上に花を置くと動かないので、上手にセロテープが貼れますよ。

<お買物>
お仕事では、語彙の拡充で「絵合わせのカード」というのがありますが、買ってきた野菜や果物、魚などを実際によく観察するのも良いですね。日頃はなかなかできませんが、この様な時ですから、触ったり、香りや重さを感じたり一緒に丁寧な時が過ごせそうです。五感と同時に正しい名称を知らせることで、自然と言葉や文字への興味関心も高まって、語彙力がつきます。状況が落ち着いてきて、スーパーなどに一緒に行けるようになれば、こういった経験が生活知識の広がりにつながっていきます。また、スーパーなどの広告の写真を切り抜いたり、絵を描いたりして、お店屋さんごっこも楽しいです。

<色・形いろいろ探し>
これは、色板というお仕事です。3原色から混色まで11種類の色があります。お家でする時は、クレヨンなどで名前を確かめることができますね。子どもの知っている色を塗ったり名称を書いた紙数種類と子どものわかる数字を書いた紙を用意して、くじ引きの様に引いて、「〇色を〇個見つける」にチャレンジしましょう。例えば緑を5つとか赤を7つとか・・・お家の中でも外でもできますね。この他に丸、三角、正方形、長方形、五角形、等の形や名前に「あ」のつくもの、「い」のつくもの集めでも楽しめますよ。

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同じものを集めたり、種類ごとに分けたり、比べたり、アイデア次第でいろいろ楽しめます。
ただし、あくまでも行為の主体は子どもです。やり方を知らせたら、あとは子どもの選択に任せましょう。知性の性質は「自発性」。子どもが自ら知性を働かせるとき、活動は発展し、深まります。

桜美林幼稚園 冨田 恵美子